幹細胞培養上清液について

幹細胞培養上清液とは

幹細胞培養上清液は、幹細胞を特定の条件下で培養し、その過程で分泌される有用な物質を含む液体です。この液体から幹細胞自体を取り除いた後、さらに処理を施して使用します。

幹細胞が分泌する物質には、細胞の成長や修復を助ける成分が含まれており、これが幹細胞培養上清液の主な効果です。

美容や再生医療の分野で注目されており、傷ついた組織の修復を促進する効果が期待されています。

安全性も高く、細胞そのものを使う治療に比べてリスクが低いと考えられています。

幹細胞培養上清液の効果

お肌

幹細胞培養上清液は、肌の再生能力を高めます。ターンオーバーや血行を促進し、肌の若返りに関する物質が含まれています。

お肌の気になる部分に点滴や注射を行うことで、しわやたるみの改善、肌トーンの均一化、美白効果、クマの改善などの美容効果が期待できます。いくつになっても若々しいお肌を保ちたいという方にはぴったりの治療となります。

一時的な治療ではなく、細胞への根本的なアプローチによる再生医療を行うため、高い効果が得られやすいです。

幹細胞培養上清液で、加齢などにより衰えてしまった毛髪に関係する幹細胞を活性化させます。

幹細胞培養上清液には育毛を促す成長因子が含まれており、それらが毛母細胞の再生を促進し、細胞からの改善を目指します

白髪の予防や薄毛の改善が期待され、男性の方のみならず女性の方にもご利用いただけます。また、育毛を促進するだけでなく毛髪の質の向上も期待することができるため髪の艶やコシを手に入れたい方にも効果的です。

健康

幹細胞培養上清液には細胞の再生や修復を促す物質が含まれているため、全体的な体の回復効果が期待できます。

倦怠感の軽減、疲労回復、睡眠の改善、リラックスなどに役立つと考えられています。

年齢を重ねる中で体の調子に違和感を感じており、細胞からの本質的な健康を手に入れたいという方には最適な治療法となります。

痛み

組織の修正や再生する働きも持つため、痛みを緩和する効果をもつとされています。関節痛や神経痛、一般的な疼痛や変形性膝関節症などの痛みの緩和に効果的です。

痛みを感じる箇所に点滴や注射を行うことでその部分の細胞が修復・再生され痛みが和らぐことが期待されます。

日々の生活で慢性的な痛みに悩まされている方にとって、細胞からアプローチできるこの治療法は根本的な問題の解決につながる可能性が高いです。

幹細胞培養上清液に含まれる成分

幹細胞培養上清液には以下のような因子が含まれ、これらの成分が
作用してお肌や髪、健康、痛みに対して効果的にアプローチをします。

  • HGF

    神経発生、
    血管内皮細胞
    の機能改善

  • VEGF

    発毛、育毛、
    脈管形成、
    血管新生

  • bFGF

    細胞増殖、血管新生、神経の
    発達促進

  • TIMP1

    疼痛緩和、皮膚修復、血管新生の調節、細胞増殖の促進

  • IGF

    皮膚再生、
    肌の弾力
    アップ、育毛

  • FGF

    組織修復、コラーゲン・ヒアルロン酸の産生

  • NDNF

    細胞増殖、血管新生、神経の発達促進

  • Collagen6A3

    お肌のハリ

  • TGF-β

    創傷治癒、抗炎症作用

  • EGF

    ターンオーバー、しみ、しわ、くすみ予防

  • Fibronectin

    細胞の成長・分化促進、創傷治癒、組織や器官の形成・維持

  • PDGF

    細胞の増殖・細胞分裂促進

幹細胞培養上清液の種類

幹細胞培養上清液は、それを採取するために
培養した細胞の箇所によって
いくつかの種類に分類することができます。
当院では脂肪由来・臍帯由来の
幹細胞培養上清液を使用しております。

  • 脂肪由来

    歯髄由来の幹細胞培養上清液は、脂肪組織中の体性幹細胞から採取した幹細胞を培養する際の上澄液から採取するものです。

    脂肪吸引や脂肪除去によって抽出された脂肪で安全基準をクリアしたもののみが使用されます。

  • 歯髄由来

    歯髄由来の幹細胞培養上清液は、歯の中心部にある神経から採取した幹細胞を培養する際の上澄液から採取するものです。

    固い部分にある神経のため、外部からの影響(がん細胞の侵入など)を受けにくいとされています。

  • 臍帯由来

    臍帯由来の幹細胞培養上清液は、赤ちゃんの臍の緒から採取した幹細胞を培養する際の上澄液から採取するものです。

    臍の緒には赤ちゃんの発育に必要な栄養素が豊富に含まれているとされています。非常に若い細胞が由来なので、高い効果が期待されています。

安全性

point01

厳しい審査基準をクリア

  • 無菌検査
  • 不純物検査
  • 色調検査
  • 異物試験
  • 浸透圧測定試験
  • ウイルス試験
  • 純度試験

当クリニックでは、厳しい審査基準をクリアした幹細胞培養上清液のみを使用しております。

本クリニックの使用する幹細胞培養上清液においては、まず問診にて検査を通過したドナーの脂肪の幹細胞を培養した上清液を、同様に厳しい審査を通過した培地で培養いたします。そこで培養された幹細胞の上清液についても、ウイルス検査や無菌検査など様々な試験が行われ、その後も幾度かの検査を経て患者様に投与されます。

このように厳しい品質管理のもと、幹細胞培養上清液を患者様にご提供しておりますので、安心して施術を受けていただけます。

point02

有害な成分は
含まれていません

幹細胞治療と幹細胞培養上清液の治療を比較すると、幹細胞培養上清液の安全性が特に注目されます。

幹細胞培養上清液は、細胞自体を含まない点で大きく異なります。細胞自体を含まないということは、細胞を直接体内に移植するリスク、例えば拒絶反応や細胞の異常増殖によるがん化の危険性を低くすることを意味します。

培養上清液は、細胞が生産する成長因子やサイトカインなどの有益な分子のみを含み、これらは損傷した組織の修復や炎症の軽減を促すことができますが、細胞移植に伴う直接的なリスクは伴わないとされています。

そのため、幹細胞培養上清液を使用した治療は、細胞を用いた治療よりも安全性が高いと考えられます。
特に長期的な副作用のリスクを懸念する場合に選択されることがあります。

point03

メスを入れない施術

幹細胞培養上清液の治療では、メスを使用しない施術が行われます。これにより、手術に伴うリスクが軽減されるという重要な利点を得ることができます。

メスを用いる手術では、感染のリスク、長期にわたる回復期間、手術痕の問題、また手術に伴う潜在的な合併症などが発生する可能性があります。一方、幹細胞培養上清液を使用した治療は、主に注射や点滴といった方法で行われるため、これらのリスクを大幅に低減します。

特に、手術による身体的ストレスや長期の入院が必要ないため、患者様の生活への影響を最小限に抑えることができます。

さらに、この治療法は局所的な鎮痛や治癒促進のためにも使用され、痛みや不快感の軽減に役立つため、患者様の快適性と治療後の生活の質の向上に貢献します。

リスクと副作用等

当院で使用している幹細胞培養上清液は、現時点で重大な副作用の報告はなく、リスクが低いと考えられています。

しかし、好ましくない作用(副作用)がまれに認められる場合もあります。培養上清に含まれることがわかっている成分について、これまでに報告されている副作用には、以下のようなものがあります。

難聴、めまい、耳鳴り、腎障害

培養上清に含まれるゲンタマイシンは、膀胱炎や敗血症などの感染症において使用される抗生物質であり、その適応で使用された場合(1日3 mg/kg、60 kgの人で1日180 mg)、難聴、めまい、耳鳴り等の第8脳神経障害や、急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれる事があります。培養上清中に含まれるゲンタマイシンの濃度は0.01 mg/mL以下であり、本研究で用いる最大量と想定される60 mLを投与した場合の体内に入るゲンタマイシン量は0.6 mg以下です。感染症治療で使用される量と比較すると1/300以下で、副作用のリスクは低いと考えられます。

感染症

培養上清の主原料である培養液にはヒトおよび動物由来成分は用いられておらず、感染症等のリスクはありません。もう一つの主原料であるヒト幹細胞から産生された成分を含むため、感染症のリスクを完全に否定することはできませんが、組織提供者の感染症のチェックを行い、製造された幹細胞のウイルス、マイコプラズマ、エンドトキシンの否定試験および無菌試験を行っています。

その他の副作用

培養上清の主原料である培養液にはヒトおよび動物由来成分は用いられておらず、感染症等のリスクはありません。もう一つの主原料であるヒト幹細胞から産生された成分を含むため、感染症のリスクを完全に否定することはできませんが、組織提供者の感染症のチェックを行い、製造された幹細胞のウイルス、マイコプラズマ、エンドトキシンの否定試験および無菌試験を行っています。

ご留意事項

・この治療で使用される幹細胞培養上清液は、医薬品医療機器等法上の承認を得ておりません。
・当院で使用している幹細胞培養上清液は、当院で個人輸入しております。個人輸入された医薬品等の使用によるリスクに関する情報はこちらをご覧ください。
・国内に同一の成分や性能を有する他の国内承認医薬品等はありません。
・当院で使用している幹細胞培養上清液は、諸外国で重大な副作用の報告はありません。
・万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用被害救済制度等の対象外となります。

幹細胞治療との違い

概要

幹細胞治療は、患者から採取した幹細胞を使用し特定の疾患や損傷部位を治療する方法です。一方、幹細胞培養上清液治療は、幹細胞を培養しその過程で分泌される有用な物質を含む上清液を使用する治療法です。

幹細胞治療と比較した幹細胞培養上清液治療の最大のメリットは、細胞を直接使用しないため拒絶反応や細胞由来のリスクが低い点です。

また、広範囲の治療に応用可能で、準備や手続きが比較的簡単であるため、安全性と利便性の両面で優れています。

かつ幹細胞培養上清液の効果と幹細胞治療の効果は同様とされているため、幹細胞培養上清液は美容や再生医療の分野で注目され、さまざまな条件の改善に利用されています。

比較

幹細胞培養上清液 幹細胞治療
治療費 低額
1.5万円〜5万円(1ccあたり)
高額
150万円〜300万円(1投与あたり)
侵襲性 低い
組織採取の必要なし
高い
患者様自身の組織摘出の必要あり
対象疾患 短い
即日投与可能
長い
培養に2ヶ月
治療開始までの期間 幹細胞治療と同様+美容 がん・倦怠感・肺疾患・循環器系の障害・慢性疼痛・アトピー性皮膚炎・肝障害など