幹細胞治療の費用の費用はどのくらい?保険適用の場合や費用を抑えたい場合について解説

幹細胞治療の費用の費用はどのくらい?保険適用の場合や費用を抑えたい場合について解説

幹細胞治療の費用は治療法や医療機関によって大きく異なります。幹細胞治療の費用は、患者さんにとって、治療を受けるかどうかの判断に影響を与える重要な要素です。

実際、幹細胞治療の費用はどのくらいかかるのでしょうか?
本記事では、以下の項目を中心に解説します。

  • 幹細胞治療の費用
  • 幹細胞治療の保険適用の有無
  • 治療費用を抑える方法

ぜひ最後までお読みいただき、お役立てください。

幹細胞治療とは

幹細胞治療とは

幹細胞治療は、再生医療技術を用いた革新的な治療法です。この治療法は、患者さん自身の体内に存在する幹細胞を活用し、損傷した組織や臓器の修復・再生をサポートします。

特に整形外科領域では、変形性関節症や脊椎疾患などの慢性的な痛みや機能障害に対して効果が期待できるといわれています。

再生医療とは

再生医療は、人体が本来持つ自然治癒力を引き出し、損傷した組織や臓器を修復・再生させる医療技術です。この革新的なアプローチは、従来の対症療法とは異なり、根本的な治療を目指します。

再生医療の中核を担うのが幹細胞です。幹細胞は、自己複製能力と多分化能を持つ特殊な細胞で、さまざまな種類の細胞に分化する能力を持っています。

この特性を利用し、再生医療では損傷した組織を修復し、機能を回復させることが期待できます。整形外科領域では、変形性関節症や脊椎疾患などの慢性疾患に対して再生医療が応用されています。

例えば、変形性膝関節症では、幹細胞を関節内に注入することで、軟骨の再生や炎症の抑制が期待できます。これにより、痛みの軽減や関節機能の改善が見込まれます。

再生医療の大きな利点は、患者さん自身の細胞を使用するため、拒絶反応のリスクが低いことです。また、従来の治療法と比べて低侵襲であり、回復期間が短いのも特徴です。

治療に使う幹細胞の種類

幹細胞治療に使用される幹細胞には、主に以下の種類があります。それぞれ特徴が異なるため、治療目的や患者さんの状態に応じて適切な種類が選択されます。

幹細胞の種類特徴
脂肪由来幹細胞脂肪組織から採取される幹細胞で大量に採取可能局所麻酔下で皮下脂肪を吸引し、そこから幹細胞を分離・培養整形外科領域では、変形性関節症の治療などに広く用いられる
骨髄由来幹細胞骨髄から採取される幹細胞で多分化能が高い採取時の患者さんへの負担が大きい
臍帯血由来幹細胞出産時に採取される臍帯血に含まれる幹細胞分化能力が高いが、自家移植では使用できない
iPS細胞体細胞から人工的に作られる幹細胞で、高い分化能力を持つ主に研究用途で使用される

治療に使用する幹細胞の種類は、疾患の種類や重症度、患者さんの年齢や全身状態などを考慮して選択されます。

幹細胞治療が行われる病気

幹細胞治療が行われる病気

幹細胞治療は、難治性疾患に対する新たな治療法として期待が高まっています。この革新的な治療法は、人体の自然な修復能力を活用し、従来の治療法では対応が困難だった疾患に可能性をもたらしています。

幹細胞治療が適用される主な領域には、血液疾患、整形外科領域の疾患、神経系疾患があります。

血液疾患に対する幹細胞治療

血液疾患の治療において、幹細胞治療は重要な位置を占めています。特に造血幹細胞移植は、白血病や再生不良性貧血などの重篤な血液疾患に対して広く用いられています。

この治療法では、健康なドナーから採取した造血幹細胞を患者さんに移植します。移植された幹細胞は、患者さんの骨髄で新しい血液細胞を産生し始め、正常な血液機能を回復させます。

造血幹細胞の源として、骨髄、末梢血、臍帯血が使用されます。それぞれには特徴があり、患者さんの状態や疾患の種類に応じて適切なものが選択されます。

近年では、遺伝子治療と組み合わせた新しいアプローチも研究されています。例えば、患者さん自身の造血幹細胞に正常な遺伝子を導入してから体内に戻す方法が、遺伝性血液疾患の治療に期待されています。

整形外科領域での幹細胞治療

整形外科領域では、幹細胞治療が変形性関節症や腱・靭帯損傷などの治療に応用されています。変形性関節症の治療では、患者さん自身の脂肪組織や骨髄から採取した間葉系幹細胞を使用します。

これらの幹細胞を損傷した関節内に注入することで、軟骨の再生や炎症の抑制が期待できるでしょう。腱・靭帯損傷の治療では、幹細胞を損傷部位に直接注入したり、手術時に使用したりする方法があります。

幹細胞の持つ組織修復能力により、損傷組織の再生が進むと考えられているのです。そのため、幹細胞治療はスポーツ医学の分野でも関心を集めています。

神経系疾患に対する幹細胞治療

神経系疾患に対する幹細胞治療は、従来の治療法では対応が困難だった疾患にもアプローチ可能だとされています。パーキンソン病の治療では、ドパミン産生神経細胞に分化させた幹細胞を脳内に移植する方法が研究されています。

これにより、失われたドパミン神経を補充し、症状の改善を図れるでしょう。脊髄損傷の治療では、損傷部位に幹細胞を移植することで、神経再生や機能回復を目指します。

特に、急性期の脊髄損傷に対する幹細胞治療の効果が期待されています。しかし、神経系疾患に対する幹細胞治療は、まだ課題があります。

移植した幹細胞の生存率や目的の細胞への分化効率、長期的な副作用などが主な課題です。また、倫理的な問題も含め、慎重な検討が必要です。

幹細胞治療の費用

幹細胞治療の費用

幹細胞治療で気になるのが治療費用についてです。幹細胞治療の費用は、治療の種類や適用される保険制度によって異なります。

ここからは、保険適用される治療、自由診療として行われる治療、そして治験の場合の費用について見ていきましょう。

保険適用

幹細胞治療の一部には、公的医療保険が適用される治療があります。これらの治療は、一定の基準を満たし、有効性と副作用が確認されたものに限られます。

造血幹細胞移植は、保険適用される代表的な幹細胞治療の一つです。白血病や再生不良性貧血などの血液疾患に対して行われるのが特徴です。

治療費用は数百万円におよびますが、保険適用により自己負担は2〜3割となります。さらに、高額療養費制度の利用により、実質的な負担額は軽減されるでしょう。

近年では、脊髄損傷に対する自己骨髄由来間葉系幹細胞を用いた治療薬も条件付きで保険適用となりました。薬の価格は約1,500万円ですが、保険適用により自己負担は軽減される見込みです。

自由診療

保険適用外の幹細胞治療は自由診療として行われ、費用は全額自己負担となります。
自由診療として挙げられるのは、

  • 変形性関節症
  • 美容目的のエイジングケア
  • 更年期障害

などです。自由診療の幹細胞治療の費用は、治療の種類や方法によって異なります。

例えば、自身の脂肪組織から採取した幹細胞を用いる治療では、数十万円程度かかることがあるでしょう。さらに、幹細胞を培養・増殖させて使用する治療では、一千万円を超える場合もあるのです。

自由診療の利点は、保険適用外の先進的治療を受けられることです。一方で、高額な費用が必要となり、また治療効果の個人差も大きいことが課題となっています。

治験

治験は新しい治療法の有効性と副作用を確認するための臨床試験です。幹細胞治療の分野でも、iPS細胞を用いたパーキンソン病治療など、先進的な治験が行われているのが現状です。

治験に参加する方の費用負担は、診療で発生する費用に限られます。新しい治療法に関連する費用は、大半の場合、研究機関や製薬会社が負担するのが特徴です。

例えば、京都大学で行われたiPS細胞を用いたパーキンソン病治療の治験では、細胞作製費用や移植手術費用は研究費から支払われ、参加者負担はありませんでした。

治験参加のメリットは、先進的な治療を抑えた費用で受けられる可能性があることでしょう。

ただし、治験には厳格な参加条件があるうえリスクも存在する点に注意が必要です。

治療別の費用相場

治療別の費用相場

再生医療の治療費用は、治療法や使用する細胞の種類によって大きく異なります。そこで、治療を検討する際の参考となるよう、主な再生医療治療の費用相場をまとめました。

主な再生医療治療の費用相場

再生医療治療の費用相場は以下のとおりです。

治療名費用の相場
自家多血小板血漿(PRP)による変形性関節症治療10万円~50万円
自己脂肪由来幹細胞を用いた変形性関節症の治療100万円~250万円
自己脂肪由来幹細胞を用いた肝障害・肝硬変の治療100万円~200万円
多血小板血漿(PRP)による角膜疾患に対する組織修復15万円~20万円
自己脂肪組織由来間葉系幹細胞投与による糖尿病の治療250万円~350万円
悪性腫瘍に対する免疫細胞治療15万円~250万円
脂肪組織由来再生(幹)細胞を用いた豊胸術150万円~200万円
認知症に対する脂肪組織由来間葉系幹細胞を用いた治療200万円
脂肪由来間葉系幹細胞を用いた脳卒中・脳梗塞の後遺症治療150万円~250万円

費用に影響を与える要因

再生医療の費用は、以下の要因によって変動することがあります。

  • 治療の種類
  • 使用する細胞の量。
  • 治療回数
  • 医療機関の設備や技術
  • 地域差

これらの費用はあくまで目安です。

実際の治療を検討する際は、複数の医療機関で相談し、詳細な費用や治療計画について確認することをおすすめします。また、治療で期待できる効果やリスクについても十分に説明を受け、慎重に判断することが重要です。

費用を抑えたい場合

費用を抑えたい場合

再生医療は、その費用が気になる方も少なくありません。幸いなことに、期待される効果を維持しつつ費用を抑える方法がいくつか存在するのです。

ここからは、幹細胞培養上清液治療の活用、自己由来細胞を用いた治療の選択、そして治療回数の調整による費用管理について解説します。

幹細胞培養上清液治療の活用

幹細胞培養上清液治療は、再生医療の期待される効果を得つつ、費用を抑えられる選択肢となっています。この治療法では、幹細胞そのものではなく、幹細胞を培養した際に生成される液体を使用するのが特徴です。

培養上清液には、幹細胞が分泌するサイトカインなどの成分が含まれています。これらの成分は、細胞の活性化や組織の修復を促す効果があると考えられているのです。

幹細胞培養上清液治療は、美容目的での使用が多く、肌や傷跡の改善などに効果が期待できます。関節痛の緩和や疲労回復にも応用されている例も少なくありません。

この治療法の大きな利点は、幹細胞を直接体内に投与する治療と比べて費用が抑えられることでしょう。また、細胞を直接扱わないため、副作用の面でもすぐれているとされています。

ただし、効果の持続期間は幹細胞治療よりも短い傾向にあるため、定期的な治療が必要になる場合があります。

自己由来細胞を用いた治療の選択

自己由来細胞を用いた治療は、自身の体から採取した細胞を使用するため、ほかの細胞を使用する場合と比べて費用を抑えられる可能性があるのです。

また、自己の細胞を使用するため、拒絶反応のリスクが低いという利点もあります。自己由来細胞を用いた治療では、主に脂肪組織や骨髄から幹細胞を採取します。

この治療法は、変形性関節症や腱・靭帯損傷などの整形外科的疾患、また美容目的での使用が多く見られます。自己の細胞を使用するため、倫理的な問題も少なく、医療機関で実施されています。

ただし、自己由来細胞を用いた治療でも、細胞の培養や加工には費用がかかります。年齢や健康状態によっては、十分な量や質の細胞が採取できない場合もあるので注意です。

治療回数の調整による費用管理

再生医療の費用を抑える方法として、治療回数を調整するという方法があります。再生医療治療では、複数回の治療を行うことで期待される効果を高められますが、同時に費用も増加します。

そのため、適切な治療回数を設定することで、効果と費用のバランスを取ることが可能となります。治療回数の調整は、症状や治療の目的によって個別に検討されます。

例えば、変形性関節症の治療では、初回治療後の経過を見て追加治療の必要性を判断することがあるのです。症状の改善が十分であれば、追加治療を延期または省略することで費用を抑えられます。

また、美容目的の治療では、期待される効果の持続期間を考慮して治療間隔を調整できます。期待される効果が持続している間は次の治療を延期することで、年間の治療回数と費用を抑えることが可能となるでしょう。

ただし、治療回数を減らすことで期待される効果が十分に得られない可能性もあります。そのため、医師と相談しながら、個々の状況に応じた適切な治療計画を立ててください。

幹細胞治療 費用に関するよくあるQ&A

幹細胞治療 費用に関するよくあるQ&A
  • 幹細胞治療の費用はどのくらいかかりますか?
  • 幹細胞治療は保険適用されますか?
  • 治療費用を抑える方法はありますか?
  • 治療費用に追加料金はかかりますか?
  • 海外で幹細胞治療を受ける場合、費用はどうなりますか?

幹細胞治療の費用はどのくらいかかりますか?

幹細胞治療の費用は治療の種類や施設によって大きく異なり、10万〜数百万円の範囲で変動します。例えば、PRP療法は10万〜50万円程度ですが、自己脂肪由来幹細胞を用いた治療は100万〜250万円程度かかることがあります。

幹細胞治療は保険適用されますか?

幹細胞治療は自由診療であり、保険適用外です。ただし、一部の血液疾患に対する造血幹細胞移植など、限られた治療のみが保険適用されています。保険適用外の治療は全額自己負担となるため、事前に詳細な費用確認が必要です。

治療費用を抑える方法はありますか?

費用を抑える方法としては、幹細胞培養上清液治療の活用や、治療回数の調整などがあります。また、一部の医療機関では分割払いや医療ローンなどの支払いオプションを提供していることもあります。治療前に医師と相談し、自身にあった方法を見つけることが重要です。

治療費用に追加料金はかかりますか?

初診料、検査費用、細胞培養費用など、追加料金が発生する場合があります。また、治療後のフォローアップや再治療が必要になった場合の費用も考慮する必要があります。

海外で幹細胞治療を受ける場合、費用はどうなりますか?

海外での幹細胞治療は、国内よりも安価な場合もありますが、渡航費や滞在費などの付随費用も考慮する必要があります。また、言語の壁や医療水準の違い、治療後のフォローアップの難しさなどのリスクもあります。

幹細胞治療 費用のまとめ

幹細胞治療 費用のまとめ

ここまで幹細胞治療 費用についてご紹介しました。
要点を以下にまとめます。

  • 幹細胞治療の費用は治療の種類や施設によって大きく異なり、10万〜数百万円の範囲で変動する
  • 幹細胞治療は保険適用されない
  • 治療費用を抑える方法として幹細胞培養上清液治療の活用や、治療回数の調整などがあげられる

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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